介護業界では、人手不足が深刻な問題となっています。2025年には介護人材が約38万人足りないと予想されており、厚生労働省でも人材不足を解消するために、生産性の向上と業務効率化を目指しICT機器の導入を推進しています。
ICT化の一つとして挙げられるのが、介護記録の電子化です。業務中は対応に追われ時間内に介護記録をつけられず、残業が慢性化しているという現場も多く見受けます。この記事では、介護記録の電子化の進め方やメリット・デメリットを解説します。
目次
介護記録の現状
「介護記録が現在も紙ベースで行われる理由」
介護記録を電子化するメリット
情報共有がスムーズにできる
事務作業の負担軽減につながる
ペーパーレス化につながる
他の機器との連携が可能
介護記録を電子化するデメリット
コストが発生する
スタッフへの導入研修が必要
情報漏洩リスクが伴う
介護記録の電子化の進め方
1.導入計画の策定
2.機器の選定
3.業務プロセスの見直し
4.運用体制の整理
5.スタッフ研修
6.導入・効果の検証
介護記録の電子化には「ココヘルパ」がおすすめ
まとめ
■介護記録の現状
介護記録は、事業者が介護サービスを提供した際に、入居者の健康状態やサービス内容などを詳細に記録したものです。介護保険制度によって記録と保存が義務づけられており、サービス提供の事実確認やスタッフ間での情報共有、サービスを検討するための基礎資料などのために必要な書類です。

最近では業務の効率化を目的に、介護記録ソフトを導入して手書きから脱却する事業所も増えてきましたが、まだまだ手書きしているところも多い印象です。
令和5年度の調査によると、パソコンによって「ケア記録・ケアプラン等の入力・保存・転記の機能」を日常的に利用している事業所は、全体の66.2%と半数を上回る結果となっています。
一方で、残りの30%近くはパソコンなどの機能を使用せず、手書きで介護記録をつけているという見方もできます。
【ケア記録・ケアプランなどの入力・保存・転記の機能の利用について】
| 日常的に利用している | 66.2% |
| 日常的には利用していない | 3.2% |
| 導入を検討している | 9.4% |
| 導入は検討していない | 15.4% |
| 業務に関係ない | 2.0% |
| 無回答 | 3.7% |
参考:公益財団法人介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書(P63)」
■「介護記録が現在も紙ベースで行われる理由」
介護業界は他業種に比べると、紙書類のやりとりが多い傾向にあります。介護施設では契約書やケアプランなどのさまざまな様式を扱いますが、従来から紙でのやりとりが当たり前だったため、介護記録も手書き方式という空気が残っており、まだまだ手書きで介護記録をつける事業所が多数存在している状況です。
介護記録の電子化、ICT化が全く進んでいないわけではありませんが、なぜ今でも紙ベースでやりとりしているのでしょうか。
手書きから電子化に移行できない理由としては、介護業界は人と人との直接的なふれ合いが大切なサービスを提供していることが挙げられます。電話やメールなどの遠隔からの対応よりも、多くの場面において対面による会話や対応が求められるからです。

そして入居者の情報についても、健康状態や既往歴などのデータだけで捉えるのではなく、心理状態や社会的側面といった言語化しにくい情報を考慮しなければなりません。このような背景から電子化の遅れが生じ、手書きの介護記録から脱却できない理由につながっていると考えられます。
■介護記録を電子化するメリット
「手書きの介護記録からなかなか抜け出せない」という事業所は、一定数存在します。しかし人手不足を解消するためにも、電子化に取り組んで、生産性の向上や業務効率化を図る必要があります。ここでは、介護記録を電子化するメリットについて紹介します。

情報共有がスムーズにできる
介護記録を電子化することで、スタッフ間でスムーズに情報共有できることがメリットです。
とくにタブレットやスマートフォンなどを連携できる介護記録ソフトであれば、デバイスからいつでも情報を記録・閲覧できるようになり、詰め所に戻ったりスタッフに確認したりといった手間がなくなります。また手書きで記録すると文字が読めないという問題も発生する恐れがありますが、文字入力であればそのような問題は起こりません。
事務作業の負担軽減につながる

介護記録を電子化することで、事務作業の負担を軽減できることも大きなメリットです。紙ベースの記録の場合、介護中に細かく記入することは難しいため、一旦メモに残しておき後から紙に清書するという二度手間が発生します。
しかしタブレットやスマートフォンを携帯しておくことで、介護サービスと同時に記録をつけて本体の介護記録システムに反映できます。また入力済みの情報は、介護記録や申し送りなどの別の資料にも反映できるため、事務作業に費やす負担を大幅に削減できるでしょう。
ペーパーレス化につながる
介護記録を電子化すれば、ペーパーレス化にもつながります。紙ベースの書類管理は、用紙代などのコストがかかるうえ、ファイルの整理や紙書類を保管するためのスペース確保など、さまざまな手間もかかります。
しかし電子化することで、これらにかかっていたコストや手間を省けるため、業務効率化やコスト削減といったメリットにもつながるでしょう。
他の機器との連携が可能
介護記録のシステムによっては、外部機器と連携できるものがあります。介護現場では、ナースコールや見守りセンサー、バイタル機器などさまざまな機器を取り扱います。これらの機器と介護記録ソフトが連携できれば、たとえばナースコールが押された時間や、見守りセンサーによる離床情報、バイタル機器で測定した情報などを、自動で反映することも可能です。
介護記録の手間や入力忘れなどをなくせることはもちろん、一連の業務を効率化することにもつながり、生産性の向上も期待できるでしょう。
■介護記録を電子化するデメリット
介護記録を電子化するメリットは大きいですが、一方で気をつけておきたいデメリットも存在します。
コストが発生する
介護記録を電子化するために、システム導入のコストが発生する点は課題となるでしょう。介護ソフトウェアの費用をはじめ、パソコンやタブレットなどの機器の費用、インターネット環境の構築コストなどもかかります。小規模の事業所だと、なかなか電子化に踏み切れないというケースもあるかもしれません。
しかし電子化することで、業務負担の軽減や効率化などにつながるため、コストメリットも期待できます。長期的な視点で、費用対効果を検討するようにしましょう。
スタッフへの導入研修が必要

介護記録を電子化する際に、スタッフへの導入研修が必要となることも考えておかなければなりません。普段からパソコンやソフトに触れる機会があまりない場合、機器の操作に苦手意識を持つスタッフもいるかもしれません。そのため苦手意識を解消し、スムーズに操作できるように研修を実施する必要があります。
介護記録システムの導入にあたっては、スタッフが操作しやすいものを選ぶことが大切です。複雑すぎて使いこなせないと、かえって記録の入力に時間がかかるという問題も出てきます。
情報漏洩リスクが伴う
介護記録を電子化すると、情報漏洩リスクが伴う点はデメリットの一つです。介護記録は入居者の個人情報が登録されているため、セキュリティ対策が不可欠です。
私物のスマートフォンで社内ネットワークにアクセスしない、閲覧できる範囲の権限を設定するなどのルールを設け、万全なセキュリティ対策されたソフトを購入するなどの対策が必要です。
また個人情報を管理するうえでスタッフの意識が足りないと、情報漏洩リスクを高めてしまいます。そのためセキュリティ意識を高めるための教育なども必要となるでしょう。
■介護記録の電子化の進め方
介護記録を電子化するためには、計画的な準備が大切です。具体的に以下のような流れで進めていきます。
それぞれのポイントを紹介します。
1.導入計画の策定
介護記録の電子化を進めるにあたって、まずは導入計画を立てましょう。このステップでは、介護記録を電子化する目的や解決すべき業務の課題、システム導入後に期待できる効果、業務上でどのように活用するかなどを検討します。
介護記録を電子化することで業務プロセスの見直しも必要となるうえに、導入後に効果が得られないなどの失敗に終わると、スタッフに大きな負担をかけることになります。そのためスタッフにも共有しながら、導入計画を策定することが大切です。
2.機器の選定
介護記録の機器を選定するポイントは、いくつかあります。単に高性能なものや価格の安さだけで決めるのではなく、事業所が抱える課題を解決できるかどうかで選定することが大切です。また事業所の環境と合っているか、既存の機器と連携できるか、スタッフの使い勝手はどうかという点も重要な選定ポイントです。
どれだけ性能がよくても、現場で活用されなければ意味がありません。機器の導入コストは決して安いものではないため、しっかりとポイントを押さえて課題を解決できる機器を選定することが大切です。
3.業務プロセスの見直し
現状の業務内容を洗い出し、電子化した後の業務を想定して業務プロセスを見直します。手書きでの記録作業が不要になると、これまでの間接業務の中から削減できる業務が出るでしょう。反対に入力作業が必要になることで、これまでの業務プロセスになかった業務が発生するかもしれません。電子化した後にどのような変化があるかを、現場のスタッフがあらかじめ把握しておくことで、導入がスムーズに進みやすくなります。
介護記録の業務効率化によって余剰が生まれた時間は、入居者への直接的なサービス提供にあてるというように、活用方法も前もって検討しておきましょう。
4.運用体制の整理
介護記録の電子化に伴う運用体制を、整理しておくことも大切です。介護記録ソフトの導入に必要となる環境を構築することや、機器の選定・購入、機器の活用が定着するまでのサポート・教育といった体制を整えなければなりません。また介護記録ソフトをはじめとする、ICT機器を管理する担当者を選定することも大切です。実際には、担当者だけで進めることが難しい場合もあるため、推進チームを作って取り組めるとよいでしょう。
5.スタッフ研修
実際に介護記録をつけるスタッフの研修も欠かせません。スタッフが使いこなせなければ、電子化するメリットは得られないでしょう。現場スタッフの平均年齢が高齢化していると、アナログな管理に慣れており、ICT機器が定着しにくい可能性もあります。スタッフが安心して使えるようにするためにも、導入前に研修を行うことはもちろん、導入後のサポートもしっかりと行いましょう。
6.導入・効果の検証
介護記録を電子化して終わりではなく、導入後の効果検証を行うことも大切です。もしもうまく運用できていない、業務の効率化につながっていないなどの問題があれば、原因を明らかにして改善方法を検討する必要があります。
また手書きによる間接業務が不要になったり、新たな課題が発生したりする場合もあります。さらなる業務改善を進めるためにも、定期的に効果を検証し、PDCAサイクルを回すことが大切です。
■介護記録の電子化には「ココヘルパ」がおすすめ
介護記録の電子化、介護現場のICT化には「ココへルパ」の導入がおすすめです。
ココヘルパは、介護施設専用の無線式ナースコールシステムであり、呼び出し機能を備えたシンプルなモデルから、業務効率化や見守り強化につながる機能を備えたモデルまで幅広く展開しています。また介護記録ソフトやスマートフォンなどの機器との連携も可能なため、介護におけるさまざまな課題を解決します。

ココヘルパであればナースコールでの呼び出し後、居室に駆けつけて対応し、対応が終了したらその場でスマートフォンから介護記録をつけられます。記録した内容は、介護ソフトに反映されるため、スタッフルームに戻って記録する必要はなく、記録漏れも防止できます。
なお記録方法は、スマートフォン上に表示される食事や入浴などの一覧から簡単に選択するだけのため、難しい操作は必要ありません。電子機器の操作に慣れない方でも、直感的な操作が可能です。
またスマートフォンなら文章だけでなく音声も記録できるため、介護記録を残す手段が増えるといったメリットもあります。
介護記録ソフトを導入して電子化したとしても、詰め所に戻って入力する必要があるなら、その場でメモするなどの二度手間が発生し、業務効率化の効果は薄れてしまうでしょう。しかしココへルパであれば、介護記録ソフトとスマートフォンとも連携できるため、業務効率化のメリットを最大限に引き出せます。
■まとめ
介護現場での人材不足を解消するためにも、生産性の向上と業務の効率化を実現できるICT機器の導入は急務です。そして介護現場のICT化を図る一歩となるのが、介護記録の電子化です。介護記録を電子化することで、事務作業の負担を軽減できたり、スタッフ間の情報共有がスムーズになったりとさまざまなメリットが期待できます。

ただし単に介護記録ソフトを導入しても、詰め所に戻って入力しなければならない場合、最大限の効果は得られません。そのためスマートフォンと介護記録ソフトと連携でき、いつでもどこでも記録をつけて、介護記録ソフトに反映できるナースコール「ココへルパ」がおすすめです。介護記録の電子化をはじめ、介護現場のICT化を図りたい方は、ぜひココへルパの導入をご検討ください。




