介護現場の業務は無駄が多いといわれており、スタッフの負担増加や介護サービスの品質を低下させたりしている介護施設は少なくありません。
なにが業務の無駄なのか、どのように改善すればよいかわからないと悩んでいる方もいることでしょう。
この記事では介護現場における無駄な業務を洗い出し、減らしていく方法を解説します!
目次
介護現場の無駄な業務を減らすべき理由
介護現場の無駄な業務の洗い出し方
―ムリ(無理)
―ムダ(無駄)
―ムラ(斑)
介護現場の無駄な業務を減らす方法
―介護ソフトの導入
―インカムの導入
―見守りシステムの導入
ココヘルパなら、さまざまな機能をスマホ1台に集約できる
介護現場の無駄を減らし業務改善する際のポイント
―目的を明確に設定し共有する
―現場の声を反映させる
―定期的な振り返りを行う
まとめ
■介護現場の無駄な業務を減らすべき理由
日本国内では働き手不足が問題視されていますが、介護現場はとくにその影響を受けています。
働く人口が低下する一方で介護のニーズは増加していくため、限りある人材でどのように運営を行うかが今後の課題となっています。
このような状況下で介護施設側が対策しなければ、スタッフの負担が増大していき離職率を高めたり介護サービスの質を低下させたりする事態になってしまうでしょう。
そのため介護現場では、業務改善を進めることが求められています。
【業務改善を行うことで、以下のようなメリットが期待できます】
✓スタッフの負担を軽減できる
✓スタッフの働きやすい環境作りにつながる
✓入居者へのサービス品質を向上できる
しかし必要に感じていても手が回らず、なかなか進められないという現場も多いのではないでしょうか。
その場合はまず「無駄な業務を減らす」ことからはじめるのが効果的です。
>>>関連記事 介護業界の離職率は?スタッフが辞めない職場環境の作り方
■介護現場の無駄な業務の洗い出し方
介護現場での無駄な業務を洗い出すためには、「3M」の考え方を活用するのが有効です。
「3M」とは「ムリ(無理)・ムダ(無駄)・ムラ(斑)」の頭文字をあわせた言葉で、業務改善を進めるうえで解決すべき要素です。
介護現場での3Mを理解したうえで、無駄な業務を洗い出していくことが大切です。
ムリ(無理)
業務の「ムリ」とは、スタッフの能力以上に業務負荷がかかっている状態のことです。人材不足に悩まされている介護現場では、よく起こりがちなケースでもあります。スタッフの心身に負担がかかりすぎている状況であるため、離職につながるほか、ミスやトラブルも生じやすいといった問題もあります。
【介護業務のムリ(無理)に該当する例】
▸経験のない人にトレーニングなしで業務を任せる
▸大柄な入居者の介助を、小柄なスタッフに任せる
▸キャリアの浅いスタッフに、一人での夜間勤務を任せる
ムダ(無駄)
業務の「ムダ」とは、不必要な業務や時間などが発生している状態で、本来であれば排除できるもののことです。とくに介護現場では、スタッフ間の連絡や事務作業などは、効率化できる要素は多いといえます。
【介護業務のムダ(無駄)に該当する例】
▸介護記録を一旦メモしておき、事務所に戻って清書や入力の作業を行う
▸チェック表がいくつもある
▸申し送りの記入や口頭での連絡が重複している
ムラ(斑)
業務の「ムラ」とは、スタッフや時期によって、業務の品質にばらつきがあることをいいます。状況によっては、入居者に負担をかけてしまう可能性もあります。
【介護業務のムラ(斑)に該当する例】
▸マニュアルがなくスタッフが自己流で業務を行っている
▸曜日や時間帯によって人員にばらつきがあり、入居者のケアに時間がかかる
▸月末月初に事務処理が集中してしまう
■介護現場の無駄な業務を減らす方法
介護現場では、以下の方法をとることで無駄な業務の低減が期待できます。
それぞれの特徴を詳しくみていきます。
介護ソフトの導入
介護現場の無駄を減らす方法として効果的なのが、介護ソフトの導入です。
介護ソフトの導入によって、入居者情報の管理やケアプランの作成、スタッフの給与管理、介護報酬請求といった管理業務がワンストップで行えます。
清書や入力を何回も繰り返すことがなくなるうえに、スタッフ間でのリアルタイムの情報共有が可能となるため、業務効率は大幅にアップします。
近年では、バイタルチェックのデータを自動で読み込んで、ケアプランの作成データに反映できるソフトが登場するなど、機能性はどんどん向上しています。
すでに介護ソフトを導入している介護施設でも現在のソフトを見直して更新することで、今まで以上に業務の無駄を減らせるかもしれません。
インカムの導入
大きな介護施設では、インカムの導入も有効です。もしもインカムのような連絡手段がなければ、緊急の用事で対応できるスタッフを探したい場合に、一人ひとりに連絡してどこにいるかを確認しなければなりません。また申し送りなどスタッフ全員に情報共有したい場合、わざわざ事務所に集合する必要も出てきます。
これでは何回も連絡する、広い施設内を移動するといった無駄な作業が発生します。
しかしインカムがあれば、離れた場所にいる複数人のスタッフとリアルタイムにコミュニケーションをとれます。スタッフ間の円滑な情報共有によって、作業効率が上がるでしょう。
見守りシステムの導入
見守りシステムとは、居室にセンサーやカメラを設置して入居者の状態を検知し、スタッフに通知するシステムです。入居者の転倒や急変を未然に防ぎ、迅速な対応を可能にします。
見守りシステムを導入することで、なにかあればシステムがスタッフに知らせてくれるため、定期巡回を減らし、スタッフの負担軽減にもつながります。スタッフの人手が不足する夜間などの時間帯も、見守りシステムがあれば安心です。
ココヘルパなら、さまざまな機能をスマホ1台に集約できる
ここまで無駄な業務を減らす方法として、「介護ソフトの導入」や「インカムの導入」「見守りシステムの導入」をおすすめしました。このように介護現場に役立つツールはいくつかありますが、それぞれのツールが連携できるとさらに業務の無駄は減らせます。
反対に各ツールが連携できなければ、「通話用のPHS」と「見守りシステムの端末」の2台持ちという事態につながり、スタッフに負担をかけてしまうことになるでしょう。
介護施設専用のナースコールシステム「ココヘルパ」であれば、スマートフォン1台にさまざまな機能を集約できるため、そのような懸念は払拭できます。
《無線ナースコールシステム「ココヘルパ」の特長》
- スマートフォンと連携できる
ココヘルパシリーズの多くは、スマートフォンとの連携が可能です。ナースコールの呼び出しがあればスマートフォンから居室の様子を確認できます。駆け付ける前に状況判断ができるため、無駄な訪室を減らせます。
- 介護記録が簡単につけられる
ココヘルパは、介護記録ソフトとの連携も可能です。スマートフォンからケア記録をつけて、すぐに次の業務に移ることができます。また記録方法は、画面に表示される項目一覧からタップするだけの簡単な操作です。
- 見守りシステムを連携できる
すでに他社の見守りシステムを導入している場合でも、ココヘルパであれば連携ができます。ココヘルパのシステム上で、呼び出し履歴や見守りセンサーの反応履歴がわかるため、端末の複数台持ちを解消しスマートフォン1台で管理できます。
- スマートインカムを連携できる
ココヘルパのオプションである、スマートインカムの連携も可能です。スマートインカムがあればハンズフリーでコミュニケーションができるため、端末をとりだして操作するといった動作がなくなります。また、ナースコールの呼出があった際にはインカムで応対できるので、スピーディーに対応することができます。
ココヘルパは、以上の機能がスマートフォン1台に集約できることが特長です。無駄な業務の削減に大きく貢献できるでしょう。
介護現場の無駄を減らし業務改善する際のポイント
介護業務の無駄を減らすためのポイントを3つ紹介します。
目的を明確に設定し共有する
業務改善に取り組むにあたり、スタッフ全員で実施する目的を共有しておくことが大切です。これまでとは大きくフローが変わることもあるため、目的がわからないまま業務改善が進んでしまうと、不満や戸惑いを感じるスタッフが出てくるかもしれません。
業務改善の必要性や目的について、施設全体で共有してから取り組むようにしましょう。
現場の声を反映させる
業務改善を行うべき課題は、現場にあることがほとんどです。そのため現場をよく知るスタッフの声を把握することが大切です。まずはスタッフの声を把握できるように、課題シートに記入してもらったりヒアリングを行ったりして、現場の課題を見える化します。課題抽出後は分析を行って、どのように改善していくかを運営側と現場のスタッフで共有しておくことが大切です。
定期的な振り返りを行う
業務改善を図ったあとは定期的な振り返りを行って、どのような成果があったのか、修正するべき点はあるのかを確認します。進捗を管理できるシートを用意していれば、スタッフ同士で得られた成果や問題点を共有しやすくなります。改善方法に見直しが必要な場合は、速やかに修正して改めて評価することを繰り返し行えば、大きな成果につながるでしょう。
■まとめ
介護現場での業務改善は、介護ソフトやインカム、見守りシステムといったツールの導入が欠かせません。またこれらの機能をスマートフォン1台に集約して、シームレスに使えるココヘルパの導入も大きな改善につながります。
なお、2024年度の介護報酬改定で新設された「生産性向上推進体制加算」の制度においても、今回紹介した取り組みに着手することが有益です。
【「生産性向上推進体制加算」に関する詳しい情報はこちら】
新設された「生産性向上推進体制加算」とは
介護施設の運営において重要となる「加算」を取得するためには、業務改善の取り組みを行っていることが要件として求められます。
「無駄な業務が多いと感じている」「どのように改善すればよいかわからない」という方は
ぜひ一度ジーコムまでお問い合わせください。