介護施設では転倒事故を防ぐために、環境整備やスタッフの対応力向上などさまざまな対策を講じていく必要があります。
前回の記事では、転倒事故が起こってしまう要因や起こりやすい場所について解説しました。
今回は、介護施設において有効な転倒防止対策について徹底解説します!
前回の記事>>>介護施設における転倒事故の要因とは!起こりやすい場所もご紹介
■介護施設における転倒防止対策
-環境整備を行う
【安全性の高い床面作り】
【明るさの確保】
【手すりや設備の改善】
【障害物の排除】
-スタッフの対応力を向上させる
-ICT機器導入で見守りを強化する
-転倒予防運動を導入する
-無理な動作を行わないようにする
■転倒防止対策には「ココヘルパ」がおすすめ
■まとめ
■介護施設における転倒防止対策
介護施設において有効な転倒防止対策は、以下の5つです。
- 環境整備を行う
- スタッフの対応力を向上させる
- ICT機器導入で見守りを強化する
- 転倒予防運動を導入する
- 無理な動作を行わないようにする
-環境整備を行う
まずは施設内でできる環境整備から対策を行いましょう。
【安全性の高い床面作り】
滑りにくい床材や、万が一転んでもケガをしにくい床材に変更することで、転倒や大きな事故を予防できます。また浴室やキッチン、玄関先などの水に濡れやすい場所は、滑りにくいマットを敷き、定期的なふき取り掃除を行います。飲み物などをこぼしてしまった場合も、放置せずにすぐに拭き取るように心がけましょう。
【明るさの確保】
廊下に常夜灯やセンサーライトを設置する、床に足元灯を設置すると安心です。また暗がりのなか、電気のスイッチを探さずにすむような工夫も必要です。夜間でも安心して移動できるように、適切な照明を設置しなければなりません。
【手すりや設備の改善】
浴室やトイレ、階段など、立ち座りの動作を行ったり段差があったりする場所は、手すりの設置が必須です。また段差のない床にしたり、車いすや歩行器を使っても動作できる広さを確保したりというように、設備を改善していくことが理想です。
【障害物の排除】
床やベッド周りなどの動線上は、障害物をなくすのが基本です。できる限り電気コードが床につかないように壁に固定する、新聞などを床に置かないというように、整理整頓を心がけましょう。
-スタッフの対応力を向上させる
スタッフ教育や訓練を通じて介護力を向上させることも、転倒を起こさせないために重要な対策です。適切な介助の方法についてスタッフ間で話し合ったり、スキルアップのための勉強会を行ったりすることで、スタッフの対応力を高めます。実際にあった転倒事故やヒヤリハットの例を参考に、原因の分析や再発防止策の実施を行うことも、スキルや安全意識の向上につながるでしょう。
-ICT機器導入で見守りを強化する
見守りにつながるICT機器には、見守りカメラや離床センサーなどがあり、これらを導入することで入居者の転倒防止につながります。たとえば離床センサーを活用すると、スタッフが転倒リスクのある動作をいち早く察知できるため、迅速な対応にあたれます。
また見守りカメラなどの映像機能を活用することで、ナースコールがあったり一定の動作によるセンサー通知があったりした際に、居室の状況を確認できます。複数の呼び出しがあっても優先順位をつけられますし、万が一インシデントが発生しても後から映像による事実確認を行って、再発防止策につなげられます。
ICT機器の導入は、入居者の転倒防止やケアの品質向上につながるでしょう。
-転倒予防運動を導入する
運動不足は、転倒リスクを高める要因です。そのため、身体の機能を維持・向上できるように、運動習慣を取り入れることが予防へとつながります。とくに歩行や立ち座りの際に重要な働きをする体幹や下半身の筋力を鍛えると、転倒予防に効果的です。
【転倒予防につながる運動】
上記のような運動を繰り返すことで、筋力維持・向上につながります。施設内での日々のプログラムとして取り入れてみてください。
-無理な動作を行わないようにする
入居者が自力で対応しようとして、無理な動作を行ってしまい転倒するケースもあります。介助が必要にもかかわらず、ベッドや車いすから自力で立ち上がる、一人でトイレに行くなどの行為は、転倒リスクを高めてしまいます。一人で行動する原因は、スタッフに頼ると申し訳ないという気持ちがあったり、自分でできるだろうと過信したりすることです。またスタッフがなかなか来てくれず待てなかった、という状況も考えられます。そのため入居者が無理な動作を行わずにすむように、環境作りをしていかなければなりません。
上記で紹介したICT機器などを導入し、効率化を図って入居者に介助を待たせないことも大切ですが、先回りしてケアしていくことも有効です。たとえば入居者の離床や睡眠などのさまざまな情報を集約し、データを可視化できるICT機器も登場しています。情報を可視化できることで、たとえば毎日トイレに起きる時間を把握し先回りして声掛けすることができるようになります。結果的に、入居者に無理をさせることなく、転倒防止につながるでしょう。
■転倒防止対策には「ココヘルパ」がおすすめ
ICT機器の導入によって転倒防止につながることを紹介しましたが、そのICT機器の一つとしておすすめなのが「ココヘルパ」です。
ココヘルパは、介護施設専用の無線式ナースコールシステムです。シンプルな呼び出し機能のものから、ヒヤリハット対策やケア品質向上ができるモデルまで、幅広いラインナップをそろえています。
【録音録画機能が備わっている】
ココヘルパXとココヘルパVPは、録音録画機能が備わっているため、万が一インシデントが発生した際も事実確認を行い、具体的な対策を立てられるようになります。また転倒事故はご家族への説明も必要となるため、その際の説明資料としても有効です。
【夜間巡回をリモート化できる】
ココヘルパVPは、独自の映像型活動検知アルゴリズムにより、入居者の夜間の動きを自動で分析・検出します。活動量が多く変化するとスタッフに通知され、映像を見なくてもタブレットで状態を把握できます。また入居者の状態は一覧で表示されるため「どの居室を優先的に見守るべきか」がわかり、スタッフが不足しやすい夜間の効率的な見守りケアにつながります。
【映像とレーダーで状態変化を自動通知】
ココヘルパXは、映像と独自のレーダー技術により、離床などの動作や睡眠時の呼吸、体表温などのデータを収集します。訪室しなくてもスマートフォンから、入居者のベッド上の状態を確認できます。また収集したデータは自動でグラフ化されるため、さまざまな変化に気づけるようになり、見守り強化、先回りケアにつなげられます。
■まとめ
介護施設で起こる事故の割合を大きく占めるのが転倒です。高齢になると転倒リスクが高まるうえに、転倒後に寝たきりになるなど生活に大きく悪影響を与えてしまいます。そのため介護施設では、転倒事故の要因や起こりやすい場所を知っておき、しっかりと転倒防止対策に取り組んでいく必要があります。
しかし夜間の人手が足りないときや、個室のなかまでは、完全に転倒を防ぐことは困難です。そのためセンサーやカメラなどのICT機器の導入を行って、見守りを強化していくことが有効な対策となるでしょう。転倒事故防止のために見守りを強化したい場合は、今回紹介したナースコールシステム「ココヘルパ」の活用をぜひご検討ください。