社会福祉法人創心福祉会

特養「くらしき日和平田」(岡山県)

ココヘルパVcamで「ヒヤリ・ハット」可視化

社会福祉法人 創心福祉会様

山川恭子理事・施設長

心に添った本物ケアで心豊かな生活を創る

法人概要 創心會グループの社会福祉法人創心福祉会様(岡山県)は、こどもからお年寄りまで誰も安心して暮らせる地域づくりを目指して、2019年4月に「リハケアガーデン」を開設。
地域密着型特別養護老人ホーム「くらしき日和平田」を中心に、ショートステイ、デイサービス、居宅介護支援、小規模保育所などを運営しています。
サービスの質を高めるための「共育」環境や、自立支援につながる最新設備・機器の導入などを行い、地域に親しまれ、人と人をつなぐ居場所・出番づくりの創造を目指しています。

具体的な取り組みについて、山川恭子理事・施設長に話を聞きました。

山川恭子理事・施設長

地域生活支援活動を展開

――創心會グループとして、社会福祉法人創心福祉会を設立した経緯は。

山川様 創心會グループは、訪問看護、リハビリやデイサービスを中心に、こどもから高齢者までご利用者様の生活・人生の回復に必要な支援を目指して、生涯サポートを展開しています。入居者様の心をケアし、ここで働く職員やその家族、関わる人みんな、心豊かに生きるための「心を創る」こと。それが私たちの想いであり、その実現のために、2017年に社会福祉法人創心福祉会を設立。2019年4月に「リハケアガーデン」を開設し、地域密着型特別養護老人ホーム「くらしき日和平田」が中心となり、さまざまな地域生活支援活動を展開しています。

――「くらしき日和平田」の役割については。

山川様 住み慣れた地域で、いつまでもより良く暮らし、最期まで諦めない気持ちを応援できる施設でありたいと考え、ユニットコンセプトを3つに分けてサービスを提供しています。いつまでも活動性を保ちながら、終末期の過ごし方まで、最適なケアを提案しご本人を中心にご家族と一緒に考えられる環境づくりを目指しています。

――3つのユニットとは、どのようなものですか。

山川様 活動性向上+在宅復帰を目指す「リハビリユニット」、脳の健康を維持・増進するプログラム「五感Method」を用いて、認知症の症状を緩和し、安心・安定した在宅生活を支援する「五感ユニット」、重度要介護の方でも最後までその人らしく暮らせるように支援する「煌ユニット」、の3つのユニットを設けて、ご希望に応じて専門職から最適なケアをご提案しています。①在宅生活のアセスメント、②担当者制、③24時間シート、を活用して個々のリズムを把握することで個別ケアの品質を高めています。

「人+機器」で最高品質のケアを

――スタッフへの教育環境を充実させていると聞きました。

山川様 常に技術を磨き、知識を身につけることがスタッフの自信につながり、互いに感謝・信頼・調和の心をもって取り組むことでチームワークを強固なものにし、地域に密着した最高品質のサービス提供へつなげていきたいと考えています。そのためのスタッフ研修は多岐にわたり、介護保険制度、権利擁護、身体拘束・虐待防止や感染症対策などのほか、リハビリテーションケア、ターミナルケア、エンゼルケアなどの専門的知識・技術習得のためのプログラムを用意し、質を高める「共育」環境づくりを行っています。また、スタッフが働きやすい職場環境づくりを目指し、開設前の準備期間に介護の展示会に出向き、さまざまな最新機器から理想とする職場環境に適したシステムを選定し、導入しました。

――どのようなシステムになりますか。

山川様 例えば、ナースコール。入居者様へ個別ケアを提供するためには、その人の生活環境に合わせたお部屋のレイアウトが必須になります。そのためには有線式のものだと不便だと考え、無線式ナースコールで信頼できるものを探しました。さまざまなシステムを比較して、最も理想に近かったナースコールシステムがジーコムの無線式ナースコール「ココヘルパVcam」です。介護施設専用に開発されており、導入して良かったと実感しています。

――開設から1年半以上経ちますが、使い勝手はいかがですか。

山川様 車イスやタンスなどを置くと、どうしてもお部屋が狭くなります。そこに配線があると、足を引っかけての転倒事故などが心配になります。当施設では、なるべく寝たきりにならないよう、安全に動けるお部屋のレイアウトを心がけており、無線式のナースコールにすることで配線を気にせず入居者様の身体状況に合わせたお部屋のレイアウトができるので満足しています。

――機能面では。

山川様 機能面では、呼出に対応するとスマートフォンに居室の映像が映し出され、入居者の状態を確認しながらコミュニケーションが取れます。駆けつける前に入居者の状態がわかるため、緊急度の把握ができるので、とても重宝しています。また、転倒事故などの際には、その前後の映像を確認しながら再発防止策を練ることができます。導入前までは、事故原因を「想像」しながら、その対策を練っていました。その対策が正しいのかも不明確でしたし、ミーティングの時間も長くなっていました。導入後は、事故原因をインシデントレコーダー機能の「録画映像」を確認すれば一目瞭然で、より具体的な次善策を講じることが短時間でできるようになりました。映像で可視化することにより、ご本人やご家族への説明する際にも役立っています。

――今後については。

山川様 生まれながらに障害を持つ人でも、病気や高齢により要介護状態になっても、生活や人生の質を高めていける施設の運営を心がけ、地域に親しまれ、人と人をつなぐ居場所・出番づくりを創造できるよう、取り組んでいきたいと考えています。