介護施設における環境整備とは? ポイントや課題、取り組み事例もご紹介

コラム

2025.09.01

介護施設では、入居者の住環境を整えることが重要視されますが、介護スタッフが働く環境を整えることも重要です。労働環境を整備することで介護スタッフの作業効率の向上や、労働負担の軽減につながるほか、結果的に介護サービス の品質向上も期待できます。

この記事では、介護施設における環境整備の目的や課題、環境整備を怠った場合のリスクを解説します。環境整備の取り組み事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 

■そもそも、環境整備とは?

■介護施設における環境整備の目的
-スタッフの業務効率化や生産性の向上
-介護サービス品質の向上
-費用削減につながる
-感染症の予防
-安全に業務を行える環境づくり

介護施設の環境整備を怠った場合のリスク

■介護における環境整備のポイント
-課題に対する目標を設定しておく
-マニュアルを作成する
-取り組みを習慣化させる

■介護における環境整備の課題
-ツールの導入には費用がかかる
-セキュリティ面のリスクがある

■介護における環境整備の取り組み事例

■まとめ

 

■そもそも、環境整備とは?

そもそも「環境整備」とは、職種や職場を問わず、労働環境を整えて仕事をやりやすくする活動のことです。単にものを片付けたり掃除したりするだけでなく、仕事のムダを省き、効率的かつ衛生的に業務を進めるための取り組みです。

環境整備は「整理・整頓・清潔」の3つを意識して取り組むことがポイントです。

 

【整理】
必要なもの・不要なものに仕分けして、不要なものを処分することです。探し物をする時間や、整頓などの作業を低減します。

【整頓】
必要なものを使いやすい場所に置き、定位置を決めることです。スムーズな動線確保や作業効率につながります。

【清潔】
清潔な状態を保つことです。感染症防止などのリスク低減にも有効です。

介護スタッフの作業効率を向上させ、ケアの品質を向上させるためにも、環境整備の取り組みは不可欠です。

 

■介護施設における環境整備の目的

介護施設でも環境整備を行うことで、介護スタッフの業務効率化につながり、さまざまなメリットや効果が得られます。

 

スタッフの業務効率化や生産性の向上

介護現場の労働環境を整備することで、スタッフの業務効率化や、生産性の向上につながります。

スタッフルームやデスク周りなど、よく使用する場所の環境が整っていないと、効率的に業務が行えません。たとえば、物が散乱していてどこに何があるかわからない、置いているものをどけないと物を取り出せないといった状況では、仕事の効率は低下してしまいます。

そのため介護スタッフの業務効率や生産性を高めるためにも、環境整備に取り組んで整理・整頓することが大切です。

 

介護サービス品質の向上

介護施設での環境整備は、よりよい介護サービスの提供にもつながります。介護施設内の環境整備を行い、スタッフの働きやすい環境が整うと、サービスの提供スピードもあがり、入居者を待たせることなく先回りしたケアが可能になります。

もちろん、入居者のリスク低減と安心な生活のためにも、環境整備は不可欠です。床にゴミが落ちている、物が散乱している、水回りが不衛生な環境だと、入居者の転倒・転落などの事故や衛生面での心配があります。環境整備を行うことは、さまざまなリスク防止と入居者の安心な生活にもつながっています。

費用削減につながる

環境整備を行うと、結果的に費用削減につながります。たとえば、スマートフォンを連携できるナースコールなどのシステムを導入することで、訪室前に映像で様子を確認できるようになります。また介護ケア記録をどこからでも入力できるようになり、ペーパーレス化にもつながるでしょう。作業のムダを省き、生産性の向上が期待できます。

ツールやシステムの導入費などは発生しますが、ムダにかかっていた費用や人件費などを削減できるコストのほうが大きく、結果的にはコストメリットにもつながる取り組みです。

 

感染症の予防

環境整備の取り組みは、感染症の予防にもつながります。

デスク周りやよく使うスペースが整理整頓できていると、日頃の清掃も楽になり消毒も行き届きます。居室やデイルーム、トイレや浴室などの清掃・消毒はもちろん大切ですが、日頃から整理・整頓しておくことで、ウィルスや細菌などの病原体の繁殖を防ぎ、感染症の蔓延を防止できます。

病原体は湿度や温度、栄養分の条件がそろうと繁殖しやすくなるため、キッチンや浴室、トイレといった水回りはとくに意識して環境整備を行いましょう。

 

安全に業務を行える環境づくり

整理・整頓・清潔が行き届いてない現場では、業務が非効率になるだけなく、安全性のリスクも生じます。物につまづいたり感染症が蔓延したりと、さまざまなリスクにつながる可能性を高めてしまいます。スタッフが安全に業務を行うためにも、環境整備に取り組むことが大切です。

 

■介護施設の環境整備を怠った場合のリスク

介護施設において環境整備を怠った場合、さまざまなリスクにつながることが考えられます。

介護スタッフの仕事の効率が悪くなり、作業負担や残業が増えるなどしてストレスにもつながります。業務効率が低下すると入居者の対応が遅れるといった、サービス品質にも影響を与えてしまうかもしれません。

また衛生面が保たれていなければ、スタッフや入居者に感染症が広まる恐れもあります。ウィルス感染により、命の危険にさらされるリスクもあるため、衛生的な環境を保つことは介護施設にとってとても重要なことです。

 

■介護における環境整備のポイント

環境整備を進めるうえでのポイントを紹介します。

 

課題に対する目標を設定しておく

環境整備を進めるにあたり、まずはどのような施設でどのような課題があるかを明確にし、解決に向けた目標を設定しましょう。

【課題と目標の例】

・事務所・デスク周り・倉庫に多くの物が山積みになっている
→整理整頓を行い、作業効率をアップする

・床に物が置いてある・物を避けて歩かないといけない
→物の置き場を変えるなどとして、転倒リスクの軽減とスムーズな動線を確保する

・水回りの掃除が行き届いていない
→掃除手順や頻度を決めて、衛生的な環境をキープする

現状の課題を洗い出して目標を設定しておくことで、スタッフ全員で環境整備に対する意識を持ちやすくなります。

マニュアルを作成する

環境整備は一度だけでなく、継続できる環境づくりが大切です。途中でやり方が変わったり、人によってやり方が違ったりすることがないように、全員が共通認識を持って同じルールで取り組めるようにしなければなりません。

たとえば、週に1度は不要なものがないかチェックする、毎朝水回りを掃除するなどのルールを決めて、マニュアルを作成しましょう。

 

取り組みを習慣化させる

環境整備は、これまでの業務のやり方に変化が生じるため、慣れるまでに時間がかかる場合があります。そのため面倒に感じてしまったり、自己流に戻ってしまったりするかもしれません。

しかしこれは一時的なもので、長期的にみれば効率化が図れ、介護スタッフの負担軽減にもつながるはずです。習慣化させるためにも、環境整備で得られる効果についてスタッフに理解してもらうことも大切です。

 

■介護における環境整備の課題

環境整備は介護の現場において重要な取り組みですが、以下の課題もあるため注意しておく必要があります。

 

ツールの導入には費用がかかる

環境整備のためにはツールやシステムの導入も必要となるため、それらにかかる費用を考慮しなければなりません。

ただし上記でも紹介したとおり、ツールやシステム導入により業務効率化が進み、削減できるコストも大きいです。一時的な費用だけでなく、長期的な目線で業務効率化やコストの削減などの効果を含めたうえで、検討するとよいでしょう。

 

セキュリティ面のリスクがある

環境整備でツールやシステムを導入する際は、セキュリティ面のリスクついて注意しておかなければなりません。

たとえばペーパーレス化に伴って、これまで紙媒体で管理していたものを、ネットワーク上で管理するようになると、情報漏洩やサイバー攻撃などの懸念が生じます。ツールやシステムの導入の際には、どのようなセキュリティ対策がされているかを確認し、セキュリティ性能の高いものを選ぶことが大切です。

 

■介護における環境整備の取り組み事例

介護施設において環境整備を進めるためには、どのような取り組みが有効なのでしょうか。

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介護現場において、スタッフの業務効率とケア品質に大きく影響するのが、ナースコールの機能性です。近年では、スマートフォンや介護記録ソフトと連携できるなど、機能性の高いナースコールが登場しています。そのため単に呼び出し機能だけのナースコールから、機能性の高いナースコールに移行することが、環境整備の取り組みの一つとして有効です。

そして豊富な機能性を備えるナースコールとしておすすめなのが、介護施設専用の無線ナースコールシステム「ココヘルパ」です。

 

【ココヘルパの環境整備に有効な機能と活用事例】

ココヘルパの機能と、その機能を環境整備に活用した事例を紹介します。

  • リアルタイムでの映像確認機能・録画機能がある

ココヘルパのほとんどのモデルは、スマートフォンと連携できます。呼び出しがあった際に、映像付きナースコールではスマートフォンで入居者の様子を確認できるため、 駆けつける前に緊急度を把握できるようになります。また管理用のパソコンでは、録画映像の確認もできるため、万が一のトラブルや事故があってもしっかりと事実確認をして、正確なヒヤリハット対策が行えます。

 

  • 他社介護ソフトとの連携が可能

ココヘルパでは、介護サービスの記録をスマートフォンから入力できます。呼び出しからケア内容を、スタッフステーション等に戻って記入するというような作業は必要ありません。他社の介護記録ソフトも連携できるため、ナースコール用と記録用の端末を2台持ち歩かずにすみます。業務効率化やペーパーレス化につながり、コスト削減も期待できます。

 

  • スマートインカムの連携

ココヘルパでは、オプションでスマートインカムの提供も可能です。スマートインカムはハンズフリーで通話できるため、スマートフォンを取り出す必要がなくなり、介護サービスの途中でもスムーズに通話応対ができます。またWi-Fi環境化であれば、どこでもコミュニケーションがとれるため、申し送りのために事務所に集合することなく、その場から情報共有できます。

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機能が豊富に備わったココヘルパを導入することで、訪室前に映像を確認する、その場でケア記録を入力する、スムーズに情報共有するといったことが実現できます。介護スタッフが働く環境整備にも大きく貢献できるでしょう。

 

まとめ

介護施設でも環境整備を行うことで業務効率化につながり、介護スタッフの負担軽減やサービス品質の向上が期待できます。整理・整頓・清潔を意識して取り組むことに加え、業務改善を進めるツールやシステム導入もおすすめです。

無線ナースコールシステム「ココヘルパ」は、呼び出し機能だけのシンプルなモデルから、上記以外にも豊富な機能を揃えたモデルまで、全7モデルを扱っています。介護施設ごとの課題にあわせて、環境整備に有効なモデルをご提案いたします。業務の効率化やスタッフの負担軽減に課題を抱えている場合は、ぜひお問合せください。

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